イギリス軍ボートネックニット
デッドストックのイギリス軍ボートネックニットをご紹介します。
つい先日、
「ガンジーニット(ガンジーセーター)が欲しい」
と言ったブログを綴ってたかと思いますが、
ものすご~くタイムリーな頃合いに、
今回のデッドストックが入荷してきました。
軍モノのボートネックのニットと言うと、イタリア軍のモデルってのが
有名なんですが、それがイギリスに変わると
こうも違うのかというのを実感しました。
世の中知らないことばかり。
↑の画像、肩の部分を表側から撮影しましたが、
ステッチの裏側に別布が付きます。これだけでも感涙です(泣)。
補強(すり切れ防止、生地の伸び防止)だと思いますが、
他の意図を感じさせるあたり、芸が細かいです。
裾の切替し部分です。
幅4~5cmくらいで折り返しています。
一見するとシンプルですが、実用本位の堅牢さがにじみ出ています。
これぞミリタリーディテール。
脇部分の裏側にある、おまけみたいな補強の布。
前回のスイス軍にもついてましたね。
MサイズorLサイズ?男だったら100だろッ!
という清々しいくらい潔い、胸回り100cmの表示。
あくまで軍モノですので、簡潔な表記でないと
全員に行き渡らない事情なのかも知れません。
「JERSEY MAN’S BLUE」。
これまた潔い表記です。
と言うようなディテール紹介でした。
で、ここまで書いて気付いたのですが
「ガンジーニット(=ガンジーセーター)ってそもそも何?」
と言う方が実は圧倒的に多いんじゃないかと思いますので
(すいません…)、
補足しときます。
■イギリス海峡南部、に点在するチャネル諸島の1つであるガンジー島。
19世紀中期、この地の激しい海の上で漁業や造船業で働く男たち。
その労働着としての条件を満たし、無事を祈る女性たちの手によって愛情込めて編み上げたものが、
ガンジーセーターです。
そんなガンジーニットの特徴は、激しい海でのどんな場面においても絶対的な保温力。
ウールの1本1本にあるスケイル(うろこ状のギザギザ)が絡み合い、
間の空気を保つ事によって高い保温効果が得られます。
さらにこのウールにはセーター自体の30%に水分を含んでも、湿気を感じさせない性質があります。
その保温性が強い風や波しぶきから身を守る労働者には欠かせない条件だったのです。
だいぶ長くなりましたが、今日の締めとして
ということにしたいと思います。