ARAN “CZ PT”
ARANの「CZパンツ」をご紹介します。
祭りの後ということで静かな月曜日。看板が倒れそうな強風でそうでもないような?
昨日の開店前、クラフトフェアの会場をのぞいてきたのですが、行列のできるテントの多さに驚きました。
工芸見ずしてドーナツ求める?そんな感じだったかも。会場外のカオマンガイ屋さんも長蛇の列でしたし。
ともあれ年イチぐらいはこういう盛り上がりも良いはず。場末でもにぎやかな日曜日だったと。
それではアランさんの新作になります「CZパンツ」を見ていきます。
初めてのご用意に至ったコチラ。『チェコ パンツ』、あるいは『チェコ カーゴ』とでも呼んでいただければ。
アランさんの軍パン、これまで比較的名の通ったメジャーどころをピックアップしてきましたが、
リピートばかりでは新鮮味が薄まります。当店のようなインディーズショップ?なら変り種を行きませんと。
数あるラインナップから白羽の矢が立ったのが、今回のお品になります。
東欧ミリタリーにおいて、なかなか尖った?アイテムを放出してくるチェコ軍の面々。その流れを汲んでの↑。
私の知る限りソースになったのは《オーバーオール》でして、メカニック作業ほかでの“汚れよけ”に
用いられていたものをベースに、腰から上を外して単品ボトムスにしてみたという見立てです。
以下特徴的な推しディテールを。
すり減り対策でのヒザ部分の当て布=《ダブル ニー》。某ディッキーズでも知られた仕様。
でも太ももまで覆う広範囲ぶりだと、『ダブル サイ』とも言えそうな?
件のワークパンツしかりミリタリーパンツでも、補強の当て布なら“端から端まで隙間なく”覆うのが
理想なはず。あえてそうせず別布を縫い付けた点が、よそにはないユニークなところでしょう。
その別布も4角を削ってある辺り、ユーロワークウェアらしさを覚えるのは私だけでないかと。
バック&カーゴポケットも同様に角を裁ってリンクさせたのも、感心してしまうポイントです。
ボタン突きのスリットは、裾幅を絞れる可変式。シルエット変更をお好みで。
作業着用途の元ネタでしたので、裾を絞った上でのブーツインを念頭にしていたことでしょう。
コチラのボトムスはレングスを短く設定し直した分、インすることはまずないでしょうから、
デザイン的な要素を活かしていただく使い方になりそうです。
一応着用例だけは貼っておきます。
アランさんのボトムスでは初めて選ばせてもらったブラック。私からするとコレは《スミクロ》。
サージ生地ですと代名詞になる「M-49」と同系統になりますが、厚み自体は半分以下という見立て。
よってこれからの季節もいけますし、冬場でも寒見えしない。通年モノの提案だと言えます。
繊維長が短いオーガニックコットンを使っているため、1mm以下の微起毛感で肌触りが抜群ですし、
ムラのある色落ち具合も期待できることから、50年代のヴィンテージみが現れてくることでしょう。
軍モノの黒って後染めモノを連想しがちですが、あれはベタな黒?で趣きがありません。
対極に位置するようなエイジングの奥深さがここにあるはず。
カーキやオリーブも良いのですが、そればかりだと着こなし方や印象も偏ります。今回は別の切り口で。
パッと見はダブルニーやカーゴポケットのアクの強さがないため、ゆったり目の9分丈イージーパンツ的な
ヴィジュアルです。それが近付いて目を凝らすことで出てくる只者じゃない感(?)。
今回も素直にギャップにやられてみてください。
駆け足でお送りしてきましたARANの「CZパンツ」、いかがでしたでしょうか。
かなり珍しい東欧チェコ由来でありますので、レア盤を求めるコレクター?気質な方には響くことでしょう。
また軍モノラバーでなくとも開放感のあるワイドパンツなノリで、抵抗感少なく穿いていただけるかと。
ブラックなら組み合わせに困ることもないでしょうし。
生地が少しずつ波打っていく様子から、リネンアイテムを合わせてみたくなるお品です。
隠れた名作として評価を高めているチェコパンツ。じっくりとご覧くださいませ。
宜しくお願いします。