VAL de SAIRE(バル デ セール)
VAL de SAIRE ”V-Neck Pull Over”
新しいブランド、「VAL de SAIRE(バル デ セール)」をアップしています。
店頭には既に並んでましたので、ご覧頂いていた方もいらっしゃるかと思いますが、
「これって一体...?」と思われる方が大半ではないでしょうか?
国内でもほとんど流通していませんし、
自分も以前見かけていた記憶が相当曖昧ですので、
ほぼお初といってよいブランドのVAL de SAIRE。
フランス・ノルマンディーで1979年に創業したニットブランドということになりまして、
小規模の生産量から、フランス国内はもとより、イギリス・イタリア・ベルギーなどの
ごく限られた地域での取扱いにとどめているそうです。
本国でもパリといった大都市ではなく、お膝元のノルマンディーにのみ直営店を
出しているようで、昨今のトレンドといった周囲の喧騒に流されることなく、
製品のクオリティを維持しているフレンチニットブランドになります。
ノルマンディーというと、名産品や特産品など数多くあるのですが
(あまりにも多過ぎるので省略)、繊維産業全般も盛んな地域で、
商品ページでも挙げている様に、SAINT JAMESの名前が広く知られています。
イギリス海峡に面した海沿いの地域という事も有り、
ウールで織り上げたマリンセーターを製造するメーカーも多く
(SAINT JAMESも元々そうですからね)、
伝統的なものづくりの精神がそこかしこに見られるアイテムを、
VAL de SAIREも製作しています。
当初展示会で見かけた時、↑この何とも言えない色に妙に惹かれて、
オーダーをしてしまった経緯があるわけですが、色合い以外にも、
フレンチニットの特色をよく表わすブランドではないかなと思っています。
私的な感想のフレンチニット感ですと、
スコティッシュやブリティッシュニットほどの武骨さや土着感の強さもなく、
イタリアものほどの豊富な色・素材のバリエーションが乏しい代わりに、
両国の中間地点にある事から来る、
「両方の良いとこ取り」
されたアイテムに、面白みがある様な気がしています。
褒めているようで褒めていない気もしないでもないですが(笑)、
ジャガーやレンジローバーを生んだ“質実剛健”なイギリス、
フィアットやフェラーリを生んだ“豪放磊落”なイタリア、
そしてプジョーやルノーといった“軽妙洒脱”なフランスと言い換えると、
遠からず近からずな例えになろうかと思います。
「庶民の足」になり得そうなところですと、おそらくは......
ということです。
こういうシンプルでオーセンティックなアイテム=Vネックニットなんですが、
この辺はさすがだなと思わせるのが、↑にあるような気がしています。
シャツと合わせると分かりやすいんですが、
シャツのネックラインとニットのネックラインが、“平行”なのが
お分かり頂けるでしょうか?
絶妙なんですよね、この襟の開け具合がなんとも。
メンズのドレスアイテムは、「直線と数字の構成美」だと
自分は勝手に思っているわけですが、↑みたいな細かなバランス感は
長らく続けてないと出しにくいところですし、
こういう基本的なところがブレていないことで、
スタイリングの幅を広げやすいってのも、Vネックに限らず
トラディショナルなニット製品の魅力のように思います。
コーディネイト的なものもいくつか撮影はしていますが、
それとは別に個人的に思うところですと、
「無地のニットで“遊び”が効かせられんの、Vネックだけじゃねぇかな?」
と、最近改めて思い直したところもありますので、
その辺も次回以降ご紹介出来ればと思います。
宜しくお願いします。