レトロ家電。

7830

 

 

 

 

いわゆる日本家屋ですと、押入れの1個や2個はあるかと思うのですが、

メインの2段の上に“天袋”と呼ばれる細い収納スペースがあります。

 

昔から自分の中では謎なスペースとして、

ある種の開かずの間=禁断のスペース?として見ていたのですが、

やはり魔の巣窟なんでしょうか?

面白いモノが出て来ました。

 

 

昔のアイロンです。

 

 

 

 

 

1

 

 

 

「お前、店で使うだろー?持ってけや」と親心半分、

処分に困って押しつけたの半分な按配で、

自分に託したんだろうとは思いますが、よくよく見てみると趣きがあるというか、

昔のモノらしい味わい深さを感じた次第です。

 

 

 

なぜ2つも出てきたのか、皆目見当は付きませんが、

さらっといつぐらいのものか調べてみたところ、

どうやら70年代に入ってから製造された量産品のようです。

 

 

今やパナソニックになった旧ブランドのナショナル、

人絹(じんけん)と読めなかったレーヨンの表記、

鏡と見紛うほどのピカピカな掛け面、

白じゃない微妙にくすんだアイボリーの色合いなど、

これこそ昭和な佇まいに、時代の趨勢を感じずにはいられません。

 

 

まぁ難しい事を言わずにひと言で言うと、

『ヤバい・イケてる』

となるでしょう(おっと、ふた言になってました)。

 

私的にはブラック×アイボリーな色合い、

その昔のBraun製品を思い出しました。

 

間違ったディーター・ラムスっぽさ?に、妙に惹かれています。

 

 

 

 

 

2

 

 

 

こちらもイケてるアイロン、ザ・東芝製です。

 

 

 

今や見かける事の無い筆記体の流麗なロゴ、

同じようにピカピカな掛け面、コードの周りを取り囲む綿?な素材など、

負けず劣らず可憐な様相を呈しています。

 

 

ちょっと見えずらいのですが、ハンドル持ち手部分に「A」なる文字。

 

知らない人は多いとは思いますが、

個人的には『特攻野郎Aチーム』を思い出した次第です。

リメイク版じゃなくて、ジョージ・ペパード主演の方。

 

それでも80年代ですから、更にさかのぼったアイロンということになります。

 

 

 

 

 

7840

 

 

 

本体もキテいますが、それ以上に衝撃的だったのが、

専用の「木箱」が存在するという事です。

箱そのものの精巧な作りも半端ありません。。。

 

 

 

画像だと分かりずらいですが、東芝のロゴの下に

『東京芝浦電気株式会社』

と入っている辺り、省略語が氾濫している現代社会に対する

アンチテーゼと捉えています。

 

 

グッジョブ、いやいやグッドジョブです。

 

 

 

 

 

3

 

 

 

“精巧”な作りは、↑をご覧頂ければ一目瞭然でしょう。

 

 

 

箱の中でグラグラ揺れないためのつっかえ板に加え、

上ブタ裏にはなんとアイロン置き台が付属するという、

テクニカルなギミックを思わせる凝った構造です。

 

 

残念なことに、東芝サイドの上ブタは紛失しています。。。

 

無いとは言うものの、可憐なフォルムを常時見ることが出来るとあれば、

全く持って不足はないのではないでしょうか。

 

 

 

で、この手の押し入れから出てきた遺物?のようなアイテムですので、

「実際使えんの?」

という疑問が湧いてくるかと思われますが、

保管環境は良好だったのでしょう。

 

稼働確認をしましたところ、正常に作動したことをここに報告します。

 

 

ただ本格的に使うにあたって、

諸問題が数多く散見されたことも挙げずにはいられません。

 

 

 

まず本体が異常に重い

 

 

掛け面自体の素材は不明ですが、一般的な鏡がそうであるように、

相当な重さがあります。

 

ある種、シワを伸ばすべきアイロンとしての役割は

正確に果たしているものの、

現代のアイロンのようなクイックネスな動きとは全くの対極にある、

想像以上に重量のある代物です。

 

 

昭和の主婦のたくましさを物語れる(?)、

まさに家庭を足元から支えた安定感があります。

 

 

 

加えて、めちゃくちゃ熱い

 

 

現代のアイロンが、掛け面(対象との接地面)ぐらいが熱くなる、

親切設計・安全機能かとは思いますが、

こちらはそんな生ぬるいものではありません。

側面を含めた、“金属面”全てが高温になる構造です。

 

(ちなみに自分は、温度調整ダイヤル下部の金属面で火傷しました)

 

 

『高温上等、火傷当たり前!』

的な、今にもアイロンが啖呵を切りそうな気概?は、

PL法や消費者センターへのクレームを寄せ付けない

力強ささえ覚えます。

 

何かこう超然とした覚悟の様なものを感じました。

 

 

 

 

という形でお送りした本日のブログ、いかがでしょうか?

 

 

最近、更新の頻度が少ないとか内容が薄いなど、

関係各位からお叱りの言葉を頂戴していましたので、

気合いをいれてここまで進めさせて頂きました。

 

 

目立った商品の入荷がないばかりに、

ブログをぞんざいにしてはいけません。

 

関係ない事でも書け、という話でもありましたので、時間の許す限り、

内容の後先考えずにお送り出来ればと思い直しました

(そのうち、ポエムでも書くかも知れませんが)。

 

 

アイロンの件に関しては、必要に応じて使っていこうかと思っています。

オブジェにだけはならないようにしたいものですが。

 

 

教訓としては、

家電は新しいものに限る

を挙げておきます。

 

 

CATEGORY: インフォメーション