「EXPLORER」補足。
EELの「EXPLORER」、詳しく取り上げてみます。
前回のブログから幾日か経っていますが、反響の大きさを日々感じています。
該当ページをご覧頂ければ妙なテキスト量の多さに、
ここのWeb管理者の意気込み?が伝わっても来そうなものです。
一応、「吹き出し」としての商品説明の体裁を取ってますので、
店頭でも似たようなことをしゃべりでお伝えさせて頂いてはいますが、
いくらかお伝え出来ていないポイントがありますので、
追加にてお伝えさせて頂きます。
まず↑でご覧頂けますのが、
左のサイドポケットに付くレザーの生地ネームです。
該当ページでもミラレーンについては述べていますので
再度の説明は割愛しますが、こちらの生地、そのオイルドの特性により、
縫製工場からすると針に油が付着する事から、
製造者泣かせ=清掃や交換で相当な手間が掛かる、
という側面があることをお伝えしておきます。
「ミラレーンとは、お洒落ーン」
といった寒い冗談はさておき(...)、コストアップの要因として
捉えて頂けると幸いです。
berghausに通じる所から来る、マウンテン~アウトドアの
ハードシェルジャケットに見られる、ブリム(ツバ)付きのフード。
“ギア”としての側面を物語るディテールのひとつです。
あと、袖の形状も人の体つきに添った傾斜、いわゆる“前降り”にしてあることで、
動きやすさやストレスの少ない着用感につながっている点も、
見逃せないポイントかと思います。
「Q.何で真鍮を使うんですか?」
「A.錆びにくいからです」
ということもあり、トラディショナルなオイルドクロスウェアに多い付属を
忠実に用いています。
ダブルジップのフロントは下方からも開閉出来ることで、
中の蒸れ=熱気を逃がせるメリットもありますし、白いテープとの組み合せなので、
コントラストの効いた清々しい印象につながっています。
あと、袖口に3つスナップボタンが付いていますが、
これ軍モノなんかにもあるやり口で、グローブを袖口にハメ込んだ後に
調整が効くようにセットされるものです。
また袖先がレザーでパイピング処理されているのも粋な心遣いで、
摩耗によって破け(パンク)ても、その箇所だけを交換しながら使える、
本体を守るための方法だったりもします。
UNIVERSALのアンティーク調のゴールドスライダーというのも
ポイントですが、個人的には右側を推します。
スナップボタンは、オスとメスとを留めて固定する訳ですが、
ボルトとナットの関係と一緒で“ワッシャー”に相当するものを挟まないと、
生地が傷んだりボタンが緩んで取れたりします。
そのワッシャーが今回はレザー(!)。
いちいち細かくて恐縮ですが、こういった気配りの積み重ねが
EXPLORERを形作っているものかと思いますので、
ひとつご紹介させて頂きました。
身頃~フード裏に至るブラックウォッチ柄のコットン生地&
袖裏もブラックウォッチ柄のナイロン生地をセットしています。
油の滲み込みや防水性向上に基づいた“フルライニング”というのも、
出来るようでいて出来ていないアイテムが多い中、確実に備えています。
内ポケットも数字を振ったように3カ所設けてあり、
表側のフリースを貼ってハンドウォーマー代わりとして使えるフロントポケット
も含めた収納力もまた、大きな特色と言えるでしょう。
肩から脇にかけてのパターンも要注目です。
独特のラグランスリーブ
(肩に接ぎがないのは、リュック背負った時に引っ掛かってほつれないように、
ってこともあります)
も特徴なんですが、よく出来ているなと思ったのは袖振り部分。
一般的な服ですと、前後2枚の生地を筒のように縫い合わせて袖にしますが、
こちらのEXPLORERはそこにもう一枚パターンを加えて、
3枚の生地で腕を構成しています。
早い話が2Dじゃなく3Dということ。
画像からだとちょっと分かりづらいですが、
運動量を増やして機能性を高めるポイントなだけに、
また何かの機会にお伝え出来ればと思います。
といった具合に、いささか(どころではない)長くなりましたが、
いかがでしたでしょうか?
単に、「格好良い」とか「お洒落だから」という理屈抜きな直感で思って頂くのが
一番ですが、その裏にはこういうことが積み重なっているんですよ、
ということを知って頂ければ幸いです。
普通に読むにはしんどいブログですが(...)、
時々こういう日があるということで、ご容赦頂ければと思います。
ここまでお送りした内容のさわりの部分ですが、↓に載っていたりします。
EELさんより届きました今シーズンのブック、「ラシク展」です。
秋冬のヘビーアウターを取り上げた、読み物として楽しめるブック(=カタログ)を
数部ご用意していますので、店頭で手に取って頂ければと思います。
ブックでは物足りない方は、ディクショナリー代わりに
こちらのブログをご覧頂ければと思います。
宜しくお願いします。