Francis Campelli “STAIN COLLAR COAT”

2015.11.09 / アイテム

Francis Campelli(フランシス キャンペリ)

Francis Campelli “STAIN COLLAR COAT”

 

 

 

新しいブランド、「Francis Campelli(フランシス キャンペリ)」をご紹介します。

 

 

 

入荷以来幾日か経っているわけですが、正直な話、

ブログで取り上げるのをためらっている節がありました。

間違いなく濃厚・長大な投稿になるのは目に見えていたものでして。。

 

 

いつかはご紹介しなければならないところ、

タイミングを計っていたわけですが、ここ2日の雨・強風模様であれば、

取り上げる機は熟したというものです。

 

前説は短く切り上げ、深遠なるゴム引きコートの世界へ下り立ちましょう。

 

 

覚悟はいいか?

私も整いました。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずはここからでないと概要が見えてこないと思いますので、

薄汚い私物を開陳。マイ・マッキントッシュ。

 

 

 

「マッキントッシュ(名詞)=ゴム引きコートの意」で知られているくらい、

超が付く名門ブランドというのは、どこかで聞いたことがあるかも知れません。

 

 

創業者のチャールズさんは発明家としての顔もあり、商売っ気もあったので、

ゴム引き(布)の製造ライセンスをロンドンやマンチェスターの業者にも

委ねていったわけですが(そのうちのひとつに「レインチーター」がありますね)、

とあるマンチェスターの会社が、アイルランドのダブリンに進出します。

 

それが1934年のこと。これで話がつながってきました。

 

 

 

 

 

Francis Campelli(フランシス キャンペリ)

 

 

 

 

戦前から続く老舗企業になる、「Mackintosh Rainwear Ltd」。

 

 

ただこういった伝統に基づく特殊な布地ですので、現代だと需要も少なくなり、

おまけにハンドメイド出来る職人さんも高齢化(確か80歳超え、お爺さん一人のみとか)

という事情から、新しい布地開発に着手します。

 

その結果出来上がったのが、↑でご覧頂ける“Double Texture Cotton”。

 

 

 

新しい素材であれば、新しいデザインやマーケットに乗り出すのが定石です。

そこで白羽の矢が立ったのが、本家マッキントッシュで35年以上

製品作りに携わっていたキャンペリさんその人。

 

 

ご本人の名を冠したファクトリーブランドとして、数年前から

この極東の地でも見ることが出来るようになったのが、

Francis Campelliというブランドのいきさつになります。

 

 

 

 

 

Francis Campelli(フランシス キャンペリ) ステンカラーコート(インク・ネイビー)

 

 

 

 

伝統的なゴム引きコートのニュアンスを残しつつ、ハイテク素材に切り替え、

モダンなシルエットやデザインで表現したマッキントッシュコート。

 

 

代表的なモデルとしてご用意したのが↑になりまして、

オーバーコートというよりかは、ジャケットコートと呼ぶ方が相応しそうな、

シャープでスタイリッシュなヴィジュアルをご覧頂けます。

 

現地のラインナップにはなかった、デタッチャブル・取り外せるフード付きの、

国内限定の“フードコート”なのは、個人的にも歓迎しているポイントです。

 

 

 

 

 

Francis Campelli(フランシス キャンペリ) ステンカラーコート(インク・ネイビー)

 

 

 

 

商品ページのほうで気付いた範囲でのディテールには触れていますので、

ご一読ください。

 

 

 

フード裏や背裏のアイキャッチになるタータン=マッケンジー、

金属製の鳩目(メッシュ仕様!)、

ミリタリーテイスト満載なチンガード付きのフード(左右どっちもイケる2WAY!)など、

感涙モノのディテールは、他のアイテムを寄せ付けない

ブリティッシュスタイルならではなところだと言えるでしょう。

 

 

それ以外でも細かな部分の気配り、

力(ちから)ボタンの存在やサイドベンツのスリット、

前振りでの袖付けなどは、テーラード畑育ちの自分からしても

納得出来るポイントとして、お伝えしておきたいところです。

 

 

 

 

 

Francis Campelli(フランシス キャンペリ) ステンカラーコート(インク・ネイビー)

 

 

 

 

ヴィジュアル面に一区切りつけ、メインディッシュに取り掛かります。

“ネクスト・ラバーライズ”への回答、ダブル テクスチャー コットン

 

 

 

表裏のコットン地の間にゴムではなく、ポリウレタン素材を挟んだ

ボンディング構造になるコチラ。

 

 

ゴム引き生地のデメリットで真っ先に挙げられるであろう、

『洗えません』という事実。

私も試したことはありませんが、剥離が起こるのは容易に想像できます。

 

何世紀にも渡る崩れない壁は、21世紀になってようやく倒壊。

 

 

↑で見られるヨーロッパの品質絵表示の中で、

“P”のところにバッテンがされてません。「ドライクリーニングOK」の証しです。

 

ゴム引き問題が解消された、エポックメイキングな出来事として、

後世に名を残すことになるでしょう。

 

 

 

ちと大げさな言い回しですが(・・)、

『マッキンが洗濯に出せる』

という事実は、私にとっては目からうろこでしたので。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再びの私物開陳、別角度から。

 

 

 

私もこういうものだと思い、枕を濡らすことはもうありませんが、

数年で寿命を迎えたので、比較画像として掲載。

 

 

ゴム引きのデメリットは洗えないに加えて、シール加工に使われているテープが、

経年で剥がれてしまいます。

 

おそらく現在ではそういうことも少なくなっているでしょうが、

昔のモノだと避けられなかったところでしょう。

 

私も早いうちに再加工してもらえば良かったのですが、

ほったらかしにしていたうちにテープは剥がれ、

しまいにはポケットの袋地も消えておりました。。本気で欠落していた。

 

 

数枚持ってしまったコートたち、マイ・ヘリテージとして絶賛保管中です・・

 

 

 

 

 

Francis Campelli(フランシス キャンペリ) ステンカラーコート(インク・ネイビー)

 

 

 

 

その点、Francis Campelliのコートはテープは使っていませんし、

ゴム引きの硬さが全くなく、ミシン掛けもたやすいことも手伝い、

フルステッチング=すべての接合面がきちんと縫製されています。

 

 

マッキンで心当たりのある方には朗報だと言えますし、

当時の高額が今や超高額のハイラグジュアリーアイテムと化した手前、

このプライスがお値打ちにさえ思えてくるのは、正しい見立てなはずです。

 

今のマッキン、この倍はするからね。。いや倍どころじゃねぇか。。

 

 

 

 

 

Francis Campelli(フランシス キャンペリ) ステンカラーコート(インク・ネイビー)

 

 

 

 

入れ込んだおかげで、当初の目論見どおりとなった本日のブログ。

いかがでしたでしょうか?

 

 

 

当店では数少ないハイプライスなアイテムですが、

今回なぜ取り扱いに至ったかと言うと、

『自分のルーツに関わっているアイテムのひとつだから』

です。

 

 

憧れだったブリティッシュスタイルに通じる靴やアウター、ニットなど、

手に入れて現在まで着ているモノもある反面、手放したものも数知れず。

 

その中で比較的滞在時間が短かったアイテム、

今日のブログの流れからして、お察し頂けるんじゃないかと思います。

 

 

 

ようやく苦い思い出を超えられるコートをご紹介することが叶った、11月の初旬。

 

様々なアウターが世の中には存在しますが、

紳士のルーツ的なアイテムは、意外と触れられることが少ないかも知れません。

 

 

判断に迷ったときのガイドの役割に、今日の投稿がお役に立てれば幸いです。

 

宜しくお願いします。

 

 

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