knitchy “wholegarment shaggy dog pullover”
knitchy “wholegarment shaggy dog pullover”
knitchyの「ホールガーメント シャギードッグ プルオーバー」をご紹介します。
前回、リブ編みのプルオーバーニットを取り上げていましたが、
バイカラーのこちらもグッドということで個人的にも気に入っている、
knitchyの一連のアイテムたち。
ご紹介がやや遅れた感は否めませんが、気候的に考えればこれからでしょーと
気を取り直しまして、改めて新作アイテムを見ていきたいと思います。
シャギードッグ、カミング。
まずはシャギードッグからのご説明ということで。
数年前から改めて耳にする機会も多くなった、この素材(加工)。
程度の差こそありますが、
「シェットランドニットを毛羽立たせたもの」
ということでお間違えはないかと。
私が初めて目にした頃は、先日のカセンティーノで述べたような
『部長、買いましょーよー』
的な状態、デパートとかで販売するとこれピリングでは?
と苦情を言われかねない(実際そういう経験あり)、
ハードな毛玉っぷりが印象的でした。
時を得て、しっかり市民権を得た感のあるシャギードッグ。
“むく毛”の名の通り、ふさふさとした毛並みのニットとして
すっかり認知されたようです。
タワシじゃないよ、アザミだよ。
ふわふわ・ふさふさとした起毛感が特徴のシャギードッグ。
加工方法も伝統的というか独特なもので、アザミの実
(正確には“チーゼル”なんだそうです)
で生地の表面を引っかき、あの風合いを出しているんだとか。
私は伺った限りでは、↑のようなものが回転しているところに、
職人さんが小一時間ほど丹念に押し当てて製造しているという話でした。
加工機がなかった時代は、手作業でやっていたであろう
シャギードッグな加工。
伝統的な製法に想いを馳せつつ眺めてみるのも、乙なところでしょうか。
knitchyの生み出すニットウェアの、スタンダードというかデフォルトと言えそうな
“ホールガーメント”な編み立て。
ブリオッシュリブニットの項でも触れていましたが、ここでも健在です。
もともとこの手のスコティッシュニットと言えば
「シームレスニッティング=輪編み」
を駆使するのは、当店の別ブランドでもおなじみです。
似たような編み立てで成り立っていると思われるものの、そこは現代の技術革新。
『より型崩れが少なく、身体に沿うような自然なシルエットこそ、
ホールガーメント最大な魅力なり』
と思っている自分からしても、袖を通すことでその違いを鮮明に感じました。
新しいものが全て良いとは言いませんが、自分の体格や持ち物を省みると、
knitchyは使えるぞということを思う今日この頃です。
ご用意したシャギードッグのニット。
圧倒的に単色・無地のニットウェアが多いだけに、配色だけでも新鮮な印象です。
自分は撮影していてようやく気付きましたが、ガゼット=汗止めが襟ぐりに付く、
スウェットプルオーバーをモチーフにしたデザイン。
袖~脇~裾にかけてリブ編みで切替えることで、リバースウィーブを彷彿させる
スポーティさも感じられることで、親しみやすさを覚えます。
旧来のトラッド信仰からすると、
『B.D.シャツの上からシャギードッグのニット、これ鉄則』
と言われそうですが、カジュアルに根差したデザインと軽い風合いなだけに、
さらっとTシャツの上から被って頂いて良いように思います。
私自身が
『ニットの毛並みが苦にならない、雑な肌(?)な持ち主』
という訳ではありませんが、不快さをそれほど感じなかったのも、
ここに追記しておきます。
スタイリングページでも既出ですが、こんな感じも良いのかなと思いました。
汗止め付きニットということで、おっと上下スウェットぽいな・・
と一瞬怯みましたが、シャギードッグのおかげでディテールの打ち出しが弱められ、
思いの他まとまったというのが、後々の私的感想です。
これからの時期でしたら、メルトンコートのインナーに最適かと。
バイカラーアイテムの良いところは、アウターの脱ぎ着で見え方が
ガラッと変わるところにもあるように思います。
今回はブツ撮り的な撮影でしたが、今後はマフラーやストールで
彩りを加えていく予定です。
左の方、視線がイッちゃてるように見えますが、いたってナチュラルでノーマル。
あくまで角度なはずです。
近年にぎわいを見せているシャギードッグ界で、
新たな提案を見せてくれるknitchy。
最後の締めに来てふいに思い出しましたが、
昨年冬がデビューシーズンだったknitchyで、ラインナップ中最も反響の大きかったのが、
このタッチのシャギードッグアイテムだったそうです。
業界内外で相当評判が良かったんだとか。
2年目を迎えた今年も、評価の高いファブリックを使った定番的アイテムとして
ご用意させてもらいました、「ホールガーメント シャギードッグ プルオーバー」。
その評判の高さを誇るニットウェア、ぜひ手に取って頂ければと思います。
宜しくお願いします。