FUJITO “2 Tuck Trousers”
FUJITOの「2タック トラウザーズ」をご紹介します。
撮影しようと準備をしていますと、やけにバタバタと妙な音が響きだしたわけで。
上を見たら鳥。一羽のバード。室内に迷い込んできた模様です。
と普通なら慌てふためくところですが、過去何度か遭遇していることもあり、そこは慣れたもの。
無関心を装いつつ攻撃されないように誘導。トイレの小窓から無事出て行けたようで。
こうお伝えするとスマートに撃退?したと思われますが、ホウキ持って追い立てていますので、
人様にはお見せできない絵面。鳥からすれば鬼気迫る様子かもしれない・・
まぁ鳥とか猫と触れ合えるのもたまには良いでしょう。部屋の中にやって来るのは不思議でも・・
それでは当店初登場になるコチラを。フジトさんの「2タック トラウザーズ」。
ブランドの熱心なフォロワーさんなら、ご存知でいらっしゃるように思う↑のボトムス。
デビューから数年経っているので、コレクションの定番として人気を博しているモノです。
私のほうでも評判は耳にしていたものの、どういった訳かノータッチで来ておりましたが、
諸々のタイミングが重なり、ようやくご覧いただけるようになりました。
まぁ長いこと扱っている身からしますと、『あの名作=ワイドスラックスの2代目です』と
話を進めてしまいそうですが、あれからだいぶ日も経っています。
横着せずに細かく見ていきましょう。
『2タックの綿パン』、『タックの向きが内側=インタック』あたりで説明を済ませてしまいがちですが、
私もスーツ畑にいたクチ。もうちょい語りどころは多いと思います。
↑が興味深く眺めていた箇所で、量産スーツのスラックスではあまり見かけない《ダーツ+インタック》。
股上が深いこともあるんでしょうが、一番はお尻~お腹にかけてのフィット性の向上、
でその次にタックの開く範囲が狭まることでカジュアルに寄っていく見た目。そこが挙げられるかと。
もともとインタックってイギリス由来なこともあり、英国紳士にならったクラシックスタイルです。
まんま作ると古くささもあるので、グルカパンツ等のミリタリーボトムスを念頭にしてなんだと思います。
ここまで書いといてあれですが、トップスの裾を入れる=タックインの着こなしをどれだけの人がするのか・・
ともあれ量販のモノとは異なるアプローチ、何かの話のタネにでもしてみてください。
今回からが初めてなんでしょうか?『オリジナルで《マーベルト(腰裏)》作ってみた』。
感心と共に気合の入った製作姿勢に、ますます好感を覚えてしまいます。
表からは見えないパーツですので、いくらでも手を抜ける箇所。そこに市販されているモノでなく、
よそさんにはない自分たちだけのオリジナルを作ってしまう漢気。
コストアップも意に介さない取り組み、憎いことしてくれます。
最近の事情は分かりませんが、↑こういうブランド名を入れるのってスーツ界隈だとゼニア、
あとアルマーニとかプラダとかのイタリア系ハイブランドが多かった気がします。
そういうところから来るこのボトムスのイタカジ?感。あくまで雰囲気というか薫りということで。
ブラックデニムや黒シャン(ブレー)には無条件に反応してしまうクチです。
最近の気分を反映して、インディゴブルーではなくブラックを選ばせてもらいました。
10オンスということで極端に薄いデニムではありませんが、本格的なセルビッチものに比べれば
ゴワゴワさなしの扱いやすい風合いです。通年で使える息の長さは確かなはず。
デニムならではの色落ち・色抜けの様子もお楽しみくださいませ。
個人的にはどれだけ色を落とさずに行けるか、チャレンジしてみたいと思いつつ、
それだと色を変えたスレーキの意味がありません。(グレーだと色移りが目立たない)
皆さんも各自で策を練っていただければと。
今回のオーダーに限れば、展示会での様子が決め手になりました。
当日、藤戸さんご自身が穿いていたもので。運良く撮れてたひとコマ↑より。
当店にウェストンのゴルフはありませんが、代用できそうなモノはいかがでしょう。
自分の中では最近の藤戸さん像はこのボトムスで固定されているので、愛用の一本と見ています。
たまたまそういう日だったとは言わないでと願いつつ・・
FUJITOの「2タック トラウザーズ」をご紹介してきました。
タック入りのボトムスですと、皆さんそれぞれのイメージがあろうかと思います。
ただ昨今のビッグシルエットの波から、太めボトムスの提案が拡大。
新鮮さを伴うディテールのひとつとして、完全に定着していることでしょう。
私の場合はミリタリーの復権をきっかけにしていましたが、入り口は様々あって良いはず。
5ポケットジーンズに代わるデニムものとしても良いかもしれません。
ともかくフジトさんのボトムスではトップバッター(文字通り資料内の一番手なので)として、
意欲的なリリースが続くお品です。ぜひその評判のほどをお確かめくださいませ。
それでは宜しくお願いします。