理由。
再三再四、こちらのブログで強くお薦めしていますFilMelangeですが、
初めてご覧頂く方だと「あら、良いお値段なんですね..」
と思われる方が多いんじゃないかと思います。
秋冬はまだしも、春夏の時期のTシャツのようなものですと、
パッと見その差が分かりずらいのは正直な所かも知れません。
「使われている素材が超絶だから」
等々、希少なオーガニックコットンにまつわる“良い(価格が高い)素材を
使っているから、このお値段なんですよー、
というのが説得力のある言葉だと思いますが、何の前知識なしで生地だけを見て、
これは良い!と断言出来る方は、洋服屋さんでもそう多くないと思います。
ですんで、今回は生地の良し悪しの部分は置いといて、
ちょうど似たような仕様のTシャツがあって比較が出来たので、
そのレポートをしたいと思います。
↑↑↑の画像を見て頂いて、何か違いがあるのがお分かりになるでしょうか?
どっちもバインダー襟タイプのTシャツの、肩の縫い合わせの部分ですが、
グレーとグリーンで縫い代の“幅(はば)”が異なります。
更に言えばグレーの方、白い生地がはさまった分だけ幅があるように見えます。
よく軍モノ関係のニットなんかに見られる仕様ですが、
肩線の補強のための裏に当て布を付けると言うやつです。
例えて言えばこの当て布の生地、
『ハンバーグを作る時のパン粉=つなぎ』
みたいな意味合いです。
ニット同士だとまとまりにくいので、生地=つなぎを挟んで
裂けないようにしてある役目のものです。
その当て布=別布をわざわざTシャツに採用する
→その分コストアップ
→更にロックがけしてピラピラ浮かないようにしてある
→手間かけたのでコストアップ
→でも耐久性は格段に向上→繰り返し洗って着てもへたらない
→長い目で見れば結果ローコスト
ということが言えると思います。
もちろんナイロン糸でなく、強度で劣る綿糸で縫い合わせているので、
補強を当てている事情はありますが、天然素材へのこだわりが垣間見える
ディテールの裏返しであるといえます。
(グリーンの方のタグ、見えちゃってますね...わざとじゃないですよ)
バインダー襟の縫い合わせ部分の比較ですが、グレーとグリーンの違いは
『ロックがけの幅と細かさ』になります。
裏地のロックが細かく丁寧に施されている分、表側に見える部分も
当然細かく均一になるので、上品かつエレガントな見た目になっていきます。
さらに上下2か所をチェーンがけしてるので、
単純な話、グリーンさんの2倍の強度になる縫製です。
とまぁ、全く興味が湧かない方には苦痛以外の何物でもない(..)
ノリなブログでしたが、
「良い素材使ってるんだから高いんですよー」
的な安易な説明に警鐘を鳴らす内容。
たまには硬派にもいける、と言うこともお見せしないといけませんので、
何かの参考にして頂ければと思っています。
しっかし、冷静に見てこれだけ凝った縫製であることを考えると
このDIZZY、非常にお買い得な様な気がします。
とりあえず特集の前の下レポートでした。
宜しくお願いします。