Dead Stock “FRENCH ARMY RAINCOAT”
Dead Stock “FRENCH ARMY RAINCOAT”
デッドストックの「FRENCH ARMY レインコート」をご紹介します。
アップ以来、
『一体なんなの、これは?』
な状況が続いていることは、日々onlineをチェックしている私としましても、
痛いほど伝わってきているのは感じています。
そのぐらい興味をお持ち頂けている人の多い、ミステリアスな代物ではないかなと。
本来でしたら現行品のアイテムが連日入荷している今、
そちらを優先するべきところなんでしょうが、
旅は道連れ世は気まぐれ、私の心も移り気なものですから、
息抜き的にコチラを取り上げてみようと思い立ちました。
『え?昔のレインコートでしょ?』と甘く思う事なかれ。
と言ってどこまで話をふくらませられるか分かりませんが、
以下細かく見ていきたいと思います。
レインコートというより、正しくは“ナイロンコート”ということで
以下話を進めていきますが、70年代終わりから現在に至るまで、
フランス軍に限らず製造されるようになった
この手のアイテムたち。
現在でもその手のジャンルを覗けば、
様々な種類をご覧頂けるはずです。
ことこの手のナイロンコートに関しましては、
現在ではネイビーを中心に作られているようでして、おそらく
90年代以降は各国そのような流れでないかと思います。
その過渡期にあたる80年代に現れた、今回のデッドストック。
そりゃ30年も経っているわけですから、80年代も遠くになりにけり。
現在では見られないダスティなグリーンは、時代性を感じさせる代物。
フランス軍だけでも触手が伸びやすい自分ですが、
このレトロフューチャリスティックな佇まい?にはグッときました。
ナイロンアウターであれば、ポンチョ的なものが思い浮かびそうですが、
こちらはしっかりとテーラードスタイル。
“ステンカラーコート”の体裁を取っています。
自分がピンッときたディテールをいくつか挙げていきますが、
↑の胸から脇にかけて『への字』型に切替えたドルマンスリーブには、
動きやすさや着やすさの源になる気がしています。
↑コレが目に入ったばかりに、取り扱いに至ったように思われる、
フェイバリットディテールのひとつ=三角のベンチレーション。
丸の鳩目や菊穴ではないところに、フランスの意気を感じました。
ヤバイネコレハ。
このラッセル(メッシュ地)は、別画像で背中に付いているのも
ご覧頂けますが、脇に控えめに取り付けられていることこそ、
必殺のディテールになっているんだと思っています。
気の利いた丁寧な縫製の一環にて。
比翼裏には力(ちから)ボタンがそれぞれ取り付けてありますが、
今日ほど頼もしい存在になる?フランスポインタが指し示す、
2つの位置。
ポケットの袋地がバタつかないよう、しっかりと縫い付けてあります。
雨と来れば風もつきものですが、袋地がなびかない意図も
ありますし、次に挙げるパッカブルとの兼ね合いで
キチンと固定しているのは自明の理かと。
丁寧な縫製の裏返しとして、念のためお伝えしておきます。
昨今、『たためる・丸められる』などの“パッカブル”ものが隆盛を極めています。
キンチャクのような袋が付属しているか、ポケッタブルの名でも呼ばれるように、
ポケットの中にしまいこめるあのギミックです。
このご時勢でしたら、アウトドアシーンに限らず必須な仕様ですし、
便利この上ないところもあるので、そこは百歩譲るとしましょう。
しかしそこは昭和を生き抜いてきた男の性。
何でもかんでも丸められることへの反旗、四角いモノへのノスタルジー。
最近のケイタイとクルマは丸過ぎなんだよ...
そんな風潮に物申す仏国からの刺客、いやアサシン。。
折り目正しく畳めるということに、共感以上の熱い思いを感じました。
テンションが高まって、やや収拾がつかない気配が出てきたので、
以下巻きで進めます。
“92C”と言えばフランス軍だとおなじみなサイズ表記で、
ばっくりとお伝えすると国内のMサイズに相当するように思いますが、
こちらのレインコートに限ればそいつは否。
基本、『フリーサイズ』ということで捉えて頂けますと幸いです。
アイテムの性質上、ピッタリというかジャストサイズを求める向きでは
ないでしょうし、だいたいカッパということを考えれば、胸囲120cmの大きさです。
着用例が乏しいのですので、次回お越し頂ける大柄な方に
着ていただこうと思っています。
以上お送りしてきました、デッドストックのナイロンコート。
テーラード寄りのステンカラーコートから来るヴィジュアルは、
ビジネスからデイリーまでご利用頂けますし、
ミリタリーアイテムならではの“ギア”としての側面を楽しむのも、
ある種の魅力だと思います。
個人的には世にはびこる?パッカブルアイテムの、
始祖的位置付けだとも思っていますが、はたして。。
入荷が続いている中、突発的なアクシデントで
急遽出会ってしまった、フランス軍のデッドストック。
気になっていた方はブログも参考の上、ページもご覧になってみてください。
宜しくお願いします。