Dead Stock “CANADIAN MILITARY COMBAT PANTS”
Dead Stock “CANADIAN MILITARY COMBAT PANTS”
デッドストックの「CANADIAN ARMY ファティーグパンツ」をご紹介します。
アップしてから早1ヵ月強、ご覧頂いている方が異常に増えているものの放置。
謎のベールに包まれたまま、本日を迎えましたことお詫びします。
薄々気付いてはいたのです、この手の濃厚アイテム、
ブログを待ち望まれていそうなことを。
ミリタリーファン、もとい5minutes軍の方々からすると、
『俺達に説明もないのかッ!これじゃ満足出来ん!一斉蜂起だッ!!』
といったところでしょう。戦艦ポチョムキンなみの修羅場。。。
いくら最近、私的にロシアネタが熱いと言っても、ポカ~んな人が多いと思います。。
さっさと本アイテムの全容に迫っていきます。いざ出陣。
その昔、カナダ軍のウィンドプルーフパンツを取り扱っていましたが、
それ以来のことになる、こちらのボトムス。
大ぶりの“パラシュートボタン”が最大の特徴になるものです。
とその前に補足。
こちらのパンツ、PXモデルとの記載をしていますが、
いわゆる“民生品”というやつで、ミリタリースペックの基準をクリアしたもの
ということになります。
軍への支給品の証になる、コントラクトナンバーが確認出来ないため
そのように取り扱っていきますが、支給品の代替になり得るものとして、
基地内で販売される予定だったものと推測出来ますので、
以下そのようにご紹介していきます。
サイドポケット&カーゴ、ヒップポケットの計5つのフォルダで
構成されるファティーグパンツ。
興味深いディテールが山盛りでして、そのひとつが↑のカーゴポケット。
後面と底面のみのマチを付けた、ふくらみの少ない形状です。
素材感やボトムスのシルエットも影響してでしょうが、
若干機密性が高く熱がこもりそうなことから、
ベンチレーションとしてハトメ×2を付属。
万が一の帯電に備えた、表から隠れたような設置場所が憎い。
パラシュートボタンは、グローブをはめた状態でも着脱しやすい
用途から来ていますが、それでも難しい事態も想定して、
カーゴ部分とフラップを陸続きにしています。
こうすることでフラップがバタつかないこと、ボタンを留めなくても
折り返しがあることで、中身もこぼれにくい意図が見え隠れします。
と文字に起こすとわかりづらいですが、ヒップポケットも同じ意図の
ディテールですので、ご覧頂きたいポイントだと言えます。
ヴィンテージアイテムではある種のステイタスを誇る、
ジッパーブランドのTALON。
こちらのボトムスの出自を考えると復刻でありまして、
No5がモチーフっぽい気がします。
それでもジッパー史において燦然と輝きを放った、由緒あるブランドのもの。
ファティーグパンツの魅力を増すディテールとして、押さえておきましょう。
私的にかなり気に入っているのが、裾周りのディテール。
ほとんどが欠損していくことになるヒモですが、真面目なひと工夫で
先端が片結びしてあり、ヒモが抜けない配慮がされています。
それと↑で差し示した所に、カンヌキのステッチをしてあることで、
ズレない・抜けないをより確かなものにしています。
昔のウィンドプルーフパンツのブログでも、
興奮して取り上げていましたので、その辺りも再読ください。
品質表示のタグが、フランス語と英語の対訳表示という、
カナダ軍ならではの泣かせる画像にはあえて触れず、↑にフォーカス。
コットン100%の質感に関してですが、生地の厚みや組織から見て
一番近そうなところですと、
ドイツ軍のモールスキンパンツが該当しそうです。
いわゆるコットンピケ素材ということで、程よい厚みのある
タフな質感が特徴です。
ちなみに↑で比較しているドイツ軍の私物、アーリーモデルの前期型ですが、
カナダ軍の方も色が抜けていくと、こんな感じにはなっていくのでしょう。
これに近づくのは、数十年はかかるかも知れませんが。
軍パンと言えば、“かなりの太さがあるボリューミーなもの”を覆す、
細身のシルエットというのは意外性の高いポイントです。
好きで集めていた軍パンの中でも、歴代1~2位を争う細さですが、
これも一番近いところだと、フランス軍の「アビエイターパンツ」が
挙げられるのかと思います。
(サンプルは何かの機会に持って来ておきます)
『明らかにコレ、エアフォース向けだな。』と思ったのが、
シルエットの細さから来るヒップの小ささ。
風の影響を受けない為のものですが、
この直線的なカッティングから来る独特のシルエットも、
軍パン界ではレアで異端な存在。
ということも考慮しまして、2サイズでの適用とさせて頂きました。
大変長らくお送りしてきました、カナダ軍のファティーグパンツ。
皆さん、最後まで読み通せたのでしょうか?
こちらのパンツ、自分も以前から知ってはいたのですが、
放出されたとの情報は得られず、レプリカのみで見かけていた
幻のアイテム的なものとして捉えてました。
今回、完全な軍支給品(デッドではまず出ないでしょう)
ではありませんが、同等のミルスペックを備えたサープラスとして、
これも一見の価値ありなお品ではあるのは間違いなさそうです。
変り種のレアな軍パンをお探しの方、
ユニークなディテールが持つ機能美に魅力を覚える
インダストリアル・プロダクツとして、
あるいはコアなミリタリーファンの方に至るまで、
興味深くご覧頂けるものだと思っています。
長くなったので、何日かに分けてご覧ください。
宜しくお願いします。