FilMelange(フィルメランジェ)特集 ~ GILLIAM ~
素材・生地
『 - Mixture cotton - 』 ~ リサイクルの極み ~ コットンの綿を摘み、不純物を取り除き精錬させ糸にする段階で、大量の綿は廃棄されてしまいます。これらは総称して「落ち綿」と言われている物ですが、こういった物も品質的には問題はなく、立派に使うことの出来る綿です。更に元の綿がオーガニックコットンであれば、「腐っても鯛」ではないものの、尚更良質なものであることに間違いはありません。
これらのきれいな部分をリサイクルし、改めて紡績にかけたものが「リサイクルコットン」と呼ばれるものです。RAFFY WAFFLEに使用される「ラフィーコットン」糸は、先述の超長綿とトルファン綿とを50%ずつ掛け合わせた混合リサイクルコットン。DIZZYやPARKERと共通するブレンドコットンのラフィーは、柔らかな風合いを残しつつ、長く愛用出来る適度な耐久性を備えたものとして、確固とした定番の地位を築いている素材です。
アメカジからミリタリー~アウトドアシーンに至るまで、アンダーウェア的役割を担う存在として欠かせないアイテム、「thermal=サーマル」。ギリシャ語である「thermos」(熱い)という言葉に由来するこの素材は,凹凸のはっきりとした表面により保温性が上がる、また吸湿性や速乾性の良さにより、衣類に限らず幅広い用途に用いられています。「J.E.MORGAN」によるワッフル編みのサーマル生地の開発・生産で広く流通していき、さらに伸縮性も兼ね備えていることから、ヘビーデューティーなデイリーウェアとして人気を誇っています。FilMelangeでは不定期にリリースしていたサーマルアイテムですが、今シーズンより秋冬でのレギュラーラインナップとして、素材から全面的にリニューアル。アンダーウェアではない、度詰めの天竺生地を軽く上回る質感は、“新定番”に相応しいものです。
製法・ディテール
FilMelangeの「GILLIAM」は、ラフィーコットンを使用したサーマルカットソーですが、驚くべきはそのウェイトです。重量と厚みを持つサーマル生地は、少々の洗濯や着用では型崩れしない堅牢なもの。アンダーウェア対応で生産されるものと違い、しっかりと目を詰まらせた組織は安心感を与えてくれます。タイト過ぎることのない、ストレスを感じさせないほど良いフィット性を備えるGILLIAMは、アウターとしての存在感も充分に備えるアイテムです。
ヘンリーネックの襟型はともすると、「へたりやすくだらしなく見える」状態になりやすいものです。GILLIAMではその辺りに配慮したディテールをご覧頂けます。厚手のコットンヘリンボーンテープによる、前立てのパイピング処理に加え、襟ぐりも“ラフィー天竺”にてパイピング処理。耐久性とデザイン性を見事に汲み取っています。ディテールの変更は外観にも大きな影響を与えており、スポーティな印象を薄め、ドレッシーな要素を感じさせる落ち着いた佇まいがあります。高級感につながるシェルボタンの存在も、見逃せないポイントだと言えそうです。
スタイル・コーディネイト
ワッフル編みのヘンリーネックカットソー「GILLIAM」。インナー用途として2例ほど挙げておきます。まずイメージして頂きやすいのが、アウトドアテイストでの着用。ナイロンジャケットのインナーには、これ以上ない程の相性の良さではないでしょうか。ハイスペックが自慢のナイロンジャケットに、抜群の保温性を誇るサーマルとのコンビネーションは、ファッションの枠組みを超えられる位のたくましさがあります。合わせてお勧めなのが、フォーマル寄りなアイテムの中のアクセントとして捉えて頂く組み合わせ。固くなりがちな上下に挟まれても、襟周りの落ち着きや気品を備えた雰囲気は、Vゾーンの演出にひと味違ったイメージを演出して頂けます。スタイルを限定しないGILLIAMの魅力を、存分に味わってみて下さい。